EAつくる君 批判
前回、ソースコードには名前も印も付いていなく判別する技術もないと息巻いてしまったが、それは、正確な議論ではなかった。申し訳ない。
変数の名前付けのクセというものはあるだろう。
これは、デコンパイラの変数の名前付けのクセをみつけるMQLコンパイラのことを考えてみるとよいだろう。
これによって、EAつくる君によるソースコードだと推定はできるかもしれない。しかし、それは法的な証拠にはならないだろう。いっぽう、もし、このクセを消したいと思えばそれは容易なのだ。
変数の名前を付け直すプログラムを作ればよい。じつは、作らなくてもそのようなプログラムはすでに存在するのだ。その場合も外にだす変数は変更されないので、手作業で変えればすべての証拠が消え去る。
なんだ、犯罪を手助けしたいのか。そうじゃない。実質的に制限などできないという事実をいいたいだけなのだ。どの開発元だってそう考えているといえるだろう。それに本当に犯罪といえるのか。その議論もあるところだろうとぼくは思う。
実は前回の記事を書いている最中に思ったことがある。EAつくる君の作者は、ほんとうはソースコードの制限などなくてよいと思っているのではないかということだ。通常版の購入者にはEAを作り販売する人もいるだろうけど、それは想定済みであり、かまわないという考えだ。制限を設けたのは企業にバカ高く販売するためだけのもの。
そんなはずはないって? うん、もし本当にそうだったとしてもこちら側の想像にすぎないものね。販売不可と明白に宣言しているのだから、それが事実であることは変えられない。そして、個人でプロフェッショナル版を買うやつなんていないということも確かだろう。つまり、EAつくる君にはとんでもない制限があるってことだ。
ぼくはこのことを堂々と批判したい。どう考えたって、競争相手がいないからと足もとをみられているとしか思えない。モラニスの完全日本語版があれば、市場の力によって、このような暴挙は許されないだろう。
そこまでいうか。うん、だって、購入時にこのことのわかりやすい表記があれば、ぼくは絶対買わなかった。いま、ベクターの購入ページを確認したが、これほど重要なことがどこにも書いていなかった。気づかないはずだよっていうか、書いていないからわからない。
もちろん、マニュアルには書いてあったわけだから、試用版をダウンロードしてマニュアルを読めば気づくだろう。でも、それはフェアじゃない。いまからでもすぐに購入ページに明確な表記をしてもらいたいものだ。
では、肝腎のEAつくる君のその実力はどうなのだろう。(個人的にはライセンス問題のほうが肝腎なことだと思うけどね)
前にも書いたと思うが、国内のツールのなかでは一番わかりやすいかもしれない。思いだしてほしい。この悪事を知るまでは、EAつくる君に対して、ぼくはかなり好意的だったのだ。
ただし、そのデザインの全体像はスマートではないと思う。モラニスのようにブロックを線でつなぐことができる必要はないと思うが、NoProgra と比べたって、なにとなにをやれば、EAの設定が完了するのか、その点がわかりにくい。ただし、マニュアルをちゃんと読めばすぐに理解できるし、それでよいという考え方もできるだろう。
モラニスであればマニュアルを読まなくでも、インストールして5分で、簡単なEAを作ることができるかもしれない。ぼくにはできた。EAつくる君は、マニュアルをみるまで、いったいなにとなにを設定し終わればよいのかがすぐにはわからなかった。そのときぼくは、まぁ、マニュアルを確認すれば簡単なことだろうと、EAつくる君を触るのをやめてしまったのだ。
だから、昨日まで、ソースコードについてのライセンス上の制限があることを知らなかったのだ。もういちどいうが、こんな実質的に物理的に制限できないことにライセンス上の制限を設けるなんて、大変迷惑なことだと感じる。それならば、そもそもソースコードをだせなくするか。なにか物理的なプロテクトを掛けてもらいたいくらいだと思うのだ。本心だよ。
それならば、購入ページに重要なことを表記しないというアンフェアなことはできないだろう。