ファインド・アウト
「No Country for Old Men」を観た勢いで、今日もTSUTAYAのお世話になった。
【 ファインド・アウト公式サイト - http://findout-movie.jp/ 】
今回は最新作なので250円だ。中身のない娯楽映画として楽しむことができた。
こういう映画が一流となるための、そのキーワードは「リアリティ」だと思う。映画というものは観る者のレベルが多様であり、そのターゲットを下の中くらいにしなければ多くの大衆を楽しませることができない。必要以上のわかりやすさが必要であり、そのためならリアリティは犠牲にしなければならない。
リアリティを犠牲にせず、大衆を楽しませるエンターテイメントは難しい。それはよくわかっている。だからこそ、それらを両立させた映画は一流といえるのだ。
ファインド・アウトを例に具体的に検討してみよう。ツッコミどころは多数あるが、たとえば、ヒロインが警察から追われ、逃げるために乗っている車種もナンバーもバレてしまっているので、オンボロカーを金を払い手に入れた。
その直後、なぜか猛スピードを出して、スピード違反で警察に追われる。妹救出のために急いでいるという事なのだろうが、現実にはそんなバカはいない。この手の映画の定跡なのだが、イベントを発生させるために主人公にミスをさせる。
最後、ヒロインは犯人に穴に落とされ、その穴底に犯人が降りてきた。ヒロインは拳銃を持っているのだが、落とされた勢いで拳銃は穴底の地面に。それをひろい犯人を一発撃つ。直ぐにハシゴ(布製)で逃げようとする。引きずり下ろされるがもう一発撃つ。そしてまたハシゴで逃げる。こんな現実はないよね。
それにヒロインは格闘技で素手でも男をやっつけることができる実力があるということになっている。さらにヒロインは犯人を殺してもよいと思っている(最後に明らかになる)。だったら頭部に全弾を打ち込むのではないか。頭部が無理なら胸部や腹部に全弾打ち込めばよい。
ぼくは映画を観るときに、こういう現実に反する演出が鼻について仕方がないのだ。この映画ではないが、隠れているヒロインが恐ろしい犯人から逃げるときに必ず声を出す。よほどのバカでもない限りそんなことはあり得ないだろう。
娯楽映画の場合はぼくもできるだけ非現実的な演出に目をつぶって楽しむようにしている。そうね、たとえば、テレビドラマシリーズの「24」などは、そこら中あり得ないことだらけだったが、ぼくは全シリーズを楽しませてもらった。
えっ、そんなことをいったら映画は成立しないだろうって? そんなことはない。リアリティを貫き通してぼくをハラハラさせてくれる名作サスペンス映画を実際に数多く観てきたのだ。
さて、ファインド・アウトの悪口を書いたような結果になったが、楽しめたことは間違いないので、皆さんも気が向いたらTSUTAYAへGOだ。