魔術師をめざして

魔術師を目指して、相場・数学・プログラム言語を研究しています。

MetaTrader 5

どうやら MetaQuotes社は戦略を誤ってしまったようだ。

MetaTrader 5(以下、MT5)が 2010年6月1日に正式リリースされてからもう3年以上が経ったが、国内ではあいかわらず MT4 が主流であり MT5 への移行は実現していない。

【 MetaQuotes社 MetaTrader 5 - http://www.metaquotes.net/en/metatrader5

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移行には時間がかかるという意見も多いが本当にそれだけだろうか。そもそも MT5 は市場に求める声が高まりそれに応えたものだったか。違うだろう。

ところで、Perl という古くからある優れた言語がある。Perl は長く多くの人たちに愛された。ぼくも Perl は好きな言語だ。Perl の最新バージョンは6だが、いまでも使われているのは Perl5 であり Perl6 はおそらくは今後も主流とはならないだろう。ぼくはそう思っている。MT5 は Perl 6 とおなじ運命なのだろうか。

MT4 は使いやすくわかりやすい。それが魅力だ。EAを開発するための言語である MQL4 はとても易しい言語だ。みためは C言語だが、言語としてみたら C言語にあるようなむずかしさが MQL4 にはなにもない。C言語というよりもその本質は VBスクリプトのようなものだ。

MQL4 のむずかしさは、FXトレードを詳しく理解していないと使えないという点にある。MQL4 の純粋な言語部分は、どんな初級プログラマにも理解できるものだ。それこそが、MT4 と MQL4 の魅力なのではないか。つまり、プログラミングに縁のなかった人にも、その気さえあれば MT4/MQL4 は自分のものにできるレベルのシステムといえるものなのだ。

【 MetaEditor - http://www.metatrader5.com/en/automated-trading/metaeditor

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しかし、MQL5 ではオブジェクト指向(以下、OOP)を導入し C++ もどきのスタイルを目指した(MQL5 には、列挙型、構造体、クラス、およびイベント処理がある)。その結果、MQL5 は VBスクリプトとはちょっといえなくなってしまったのだ。大きなプログラムになることがほとんどない MQL4 のプログラムのために OOP がほんとうに必要なのか。たぶん必要ない。これがひとつの間違いなのだろう。

また、使用する立場として MT5 は MT4 と比べてなにがうれしいのだろう。ぼくは評価していないが MT5 は動作が重くなったというはなしをきく。メモリーも多く必要とのことだ。うれしくない。細かくはいろいろあるようだが、ぼくからみてうれしい点は、使用できるタイムフレームの制限がすくなくなったことだ。

タイムフレームは、1分足・2分足・3分足・4分足・5分足・6分足・10分足・12分足・15分足・20分足・30分足・1時間足・2時間足・3時間足・4時間足・6時間足・8時間足・12時間足・日足・週足・月足の21種類から選ぶことができるようになった。これは大きい。

あと、多くなったインジケーターを整理するためにフォルダーを使えるようになった。ぼくにはうれしいことだが、一般的にはそれほどのことでもないだろう。

いっぽう、MT5 になってかなしいこと許せないことがある。MT4向けのインジケーターや EA が MT5 では使えない。そのうえ、コンバーターなどの手当もないようだ。また、MT5 では両建てができない。それに複数ポジションが通貨ペアごとに合算されてしまうのだ。ひどいはなしじゃないか。

日産センチュリー証券 - http://www.nc-sec.co.jp/meta5/

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なお、国内の業者では「日産センチュリー証券」が MT5 への対応を試験的に始めているようだ。MT5 の日本語による取り扱いマニュアル(http://www.nc-sec.co.jp/meta5/manu/pdf/MT5manual.pdf)も提供している。また、MT5 によるデモ口座も可能だ。http://www.nc-sec.co.jp/meta5/demo/ ただし、期間は30日間で1人1回きりのようだ。延長はできないような書きかたをしている。

MetaQuotes社は、MQL5 の専用サイトを開設している(http://www.mql5.com/)。 それをみれば、MQL5 の詳しい仕様を知ることができる。

また、MQL5 のリファレンスも PDF で公開している。

【 MQL5 Language Reference - http://data.mql5cdn.com/mt5/mql5/pdf/mql5.pdf

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詳しくはこの PDF を読んでくだされ。

と、PDF にあとを託しおわりにしたい。